私は大学卒業後、チケット販売業の会社へ就職しました。
社会人として初めてする仕事に対して緊張感とワクワク感が入り交じり、
毎日があっという間に過ぎていきました。
研修期間が終了し、営業事務として一人で表参道で有名なコワーキングスペースで業務をこなすことになりましたが、
電話を裁くこと、わからないことがあると調べて折り返すということに時間がかかり、
自分の顧客を確保するという事に頭が回りませんでした。また、顔が見えない電話だけの対応なので
言葉選びもとても難しくクレームを受けることもありました。問い合わせ以外にもCDの収納のことなど個人的な話をされるお客様もいて、いろんな方とお話が出来てとても楽しかったです。電話の最後に「ありがとう」と言われた時はとても嬉しかったです。しかし、丁寧な案内を心がけてはいましたが、それが自分自身の売り上げにはつながらず顧客を持つ先輩たちの足元にも及びませんでした。
見かねた先輩が「電話を切るときに必ず自分の名前をもう一度言いなさい」「あなたは電話番じゃなくて会社の営業なんだから、自分をもっとアピールしなさい」とアドバイスしてくれました。
その言葉を聞いてハッとしました。営業成績が上がらないのは「この会社の誰に頼んでも同じ」じゃなくて「この会社のこの人に頼みたい」とお客様に思ってもらえることなんだと思いました。それからは、自分の名前を受電の時と切電前に言い、私を指名してもらえるようにアピールしました。そうすることによって、指名が増え営業成績も上がっていきました。入社一年後には僅差ではありましたが社内で営業成績トップをとることが出来ました。もちろん、周りの先輩方のサポートもありますが、恥ずかしさを捨て自分を売り込む努力は営業事務という業務ではとても必要なんだと勉強することが出来ました。